遠方にある不動産を売却する方法は?流れや注意点をご紹介

遠方にある不動産を売却する方法は?流れや注意点をご紹介

自宅と離れたところに相続した不動産がある場合や、以前購入した投資用不動産を売却する場合は遠方の物件を売却することになることもあります。
遠方にある不動産を売却する場合、通常の不動産売却よりも方法や流れが複雑になる可能性が高いです。
そこで今回は、遠方にある不動産を売却する方法や流れ、遠方の不動産を売却する場合の注意点についてご紹介します。

遠方にある不動産を売却する方法

遠方にある不動産を売却する方法

不動産を売却する場合、原則として売主と買主が現地で立ち会う必要があります。
しかし、売却する不動産が遠方にあると、なかなか立ち会うのが難しいものです。
そのような場合は、契約の締結に立ち会わなくても売却できる方法を選ぶと良いでしょう。

持ち回り契約

遠方にある不動産を立ち会わずに売却する方法として、持ち回り契約があります。
持ち回り契約では、契約書を売主、不動産会社、買主の間で郵送しあいながら契約を進めるため、基本的に立ち会う必要はありません。
法律上、売主と買主が持ち回り契約の内容を理解し、同意が成立していれば、契約書を郵送でやり取りすることは可能です。
不動産会社が契約書を作成し、買主に郵送します。
買主は署名捺印して不動産会社に返送し、最終的に不動産会社が売主に郵送し、売主が署名捺印すれば契約は成立します。

代理契約

遠方にある不動産を売却する場合、現地に住む方に代理契約を依頼する方法があります。
代理契約では、自分以外の方に不動産売買契約書に署名捺印をしてもらい、契約を成立させましょう。
そのためには、代理人に委任する権限を示した委任状を作成し、代理人に渡す必要があります。
なお、代理人が起こしたトラブルについては委任した本人が責任を負うため、代理人選びには慎重を期さなければなりません。

司法書士に依頼

遠方にある不動産を売却する場合、頼れる方がいない場合は司法書士に依頼する方法があります。
司法書士に依頼すれば、不動産売却に関するほとんどの手続きを任せることが可能です。
ただし、不動産会社の選定は自分で行う必要があり、任せる手続きの範囲に応じて手数料が発生します。
また、知り合いに委任する場合も同様に委任状が必要となるため、一切手間がかからないわけではありません。
不動産会社や司法書士を選ぶ際は、信頼できる業者を選定することが重要です。

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遠方にある不動産を売却する流れ

遠方にある不動産を売却する流れ

遠方にある不動産を売却する場合、持ち回り契約をおこなうのであれば流れのなかに郵送による手続きが入ります。
通常の不動産売却の流れと一部同じ部分もありますが、実際にどのような流れになるのかについては確認しておく必要があるでしょう。

売却する不動産を査定に出す

不動産売却では、まず売却を仲介する不動産会社を選び、査定を受ける必要があります。
不動産会社は、売却する不動産が所在するエリアに詳しいところを選ぶことが望ましいです。
そのため、不動産会社選びには何度か現地に足を運ぶ必要があるでしょう。
不動産会社が提示した査定額が相場に照らして適正であり、金額に納得できる場合は、媒介契約を結び、売却活動を開始してもらいます。
売却活動中は不動産会社から営業活動報告書が届くため、内容を確認し、売却する不動産の状況を把握しておきましょう。

契約書を郵送でやり取りする

買主が決まったら、不動産会社と売主、買主の三者間で郵送により契約書を作成します。
まず、不動産会社が署名捺印前の契約書を作成し、買主に郵送するのが一般的です。
買主は送られた契約書に署名捺印をし、不動産会社に返送します。
不動産会社は返送された契約書を売主に郵送し、売主に署名捺印をしてもらいましょう。
つまり、売主が契約書を手にするのは流れのなかで最後の方になります。
ただし、契約書の内容はそのままでは理解が難しい場合が多いです。
そのため、電話やテレビ通話などで不動産会社とやり取りをしながら内容を確認し、しっかり理解したうえで契約を締結することが重要になります。
契約書を作成する際は、買主から手付金が支払われたか確認することも大切です。

決済と引き渡し

契約書に記載された期日に合わせ、手付金以外の売却代金の決済と物件の引き渡しをおこないます。
本来、決済と引き渡しには売主と買主が立ち会う必要がありますが、遠方に住んでいる場合は難しいことがあります。
そのため、知人や司法書士に代理人を依頼し、引き渡しに立ち会ってもらうことも可能です。
引き渡しでは、不動産に関するさまざまな書類と建物の鍵を買主に渡さなければなりません。
また、不動産の所有権移転登記もおこなう必要があるため、専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。

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遠方にある不動産を売却する場合の注意点

遠方にある不動産を売却する場合の注意点

遠方にある不動産を売却する場合、立ち会わずに済ませようとするのであればいくつかの注意点が発生します。
本来であれば現地で立ち会いが必要なところを法律上問題ない方法で省略しているイレギュラーな取引であるため、スムーズに進むとは限りません。

売却の完了までに時間がかかる

遠方にある不動産を売却する場合の注意点の一つは、通常の不動産売却よりも時間がかかることです。
対面であればその場で完了する契約書の作成も、郵送で買主と不動産会社、売主と不動産会社がそれぞれやり取りをするため、時間がかかります。
また、代理人を探す場合も、信頼できる知人や司法書士を見つけるには時間がかかるでしょう。
委任状を作成する手間と時間も必要となるため、遠方からの不動産売却には長い時間を要します。
時間をかけずに売却を進めたい場合は、スケジュールを調整して現地に行ったほうが良い場合もあるでしょう。

現地に行く回数を減らすには計画的に活動をおこなう

早めに不動産を売却し、現地に行く回数を減らしたい場合は、売却活動の計画をしっかり立てる必要があります。
具体的な目標がないと、不動産会社が売却活動に十分に力を入れないことがあるため、注意が必要です。
いつまでに、いくらで売却したいという希望を明確に不動産会社に伝えたうえで、売主として主体的に動くことが大切です。
その際、連絡が密に取れる、不動産売却活動に関する報告が丁寧な不動産会社を選ぶと良いでしょう。
専任媒介契約や専属専任媒介契約を選択すると、綿密な連絡が期待できます。

信頼性が担保できなければ対面する

不動産売却は、大きな金額が動き、個人の権利にも関わる重要な取引です。
そのため、買主、不動産会社、手続きを依頼する代理人や司法書士は信頼できる相手である必要があります。
相手を信頼できるかどうかを確認するためには、ある程度の回数、顔を合わせておくことが大切です。
売却活動の初期段階で、スケジュールに余裕を持って対面でやり取りできるようにしておきましょう。
オンラインのテレビ通話でも顔合わせは可能ですが、実際に会う場合と比べて得られる情報が少なく、印象が異なる可能性があります。
できれば一度は顔を合わせて、相手とのフィーリングを確認することをおすすめします。
とくに、不動産会社であれば、どれだけ愛想が良いか、手続きがスピーディか、こちらの疑問に丁寧に答えてくれるかを確認しておくと良いでしょう。

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まとめ

遠方にある不動産の売却をおこなうのであれば、契約書を不動産会社に郵送してもらう方法があります。
また、知人や親戚など信頼できる方に現地で手続きをおこなう代理人を依頼したり、司法書士に手続きを依頼したりする方法も可能です。
ただし、現地に行かずに不動産を売却する方法にはさまざまな注意点があります。