南アルプス市の空き家相続手続きは何から始める?流れと相談先もご紹介

相続

青栁 伸彦

筆者 青栁 伸彦

不動産キャリア8年

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南アルプス市で空き家を相続したものの、「何から手をつけたらいいのか分からない」と感じていませんか?手続きを忘れたり放置してしまうと、後から思わぬトラブルや費用負担が発生することもあります。本記事では、空き家の相続手続きの基本から、知っておきたい税制の特例、放置リスクの回避法、今後の活用方法まで、南アルプス市で相続した方に役立つポイントをわかりやすく解説します。

相続した空き家にまず必要な手続き~名義変更から進める流れ~

南アルプス市で空き家を相続された方にとって、まず優先すべきは「相続登記」の手続きです。2024年4月1日より、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請が義務化されました。この義務は、令和6年4月1日以降だけでなく、それ以前に発生した相続も対象となり、期限は最長で2027年3月末までとなります。未了の場合、正当な理由がなければ10万円以下の過料が科される可能性がありますので、速やかに対応することが重要です。

遺言書がある場合はまずその有無を確認し、ない場合や複数相続人がいる場合は遺産分割協議を行いましょう。相続人全員が納得して合意書を作成し、その後で相続登記の申請を進めます。なお、手続きが間に合わない場合に備えて「相続人申告登記」という制度もあり、期限内に最低限の手続きを行う選択肢として検討できます。

南アルプス市での具体的な手続きについては、以下の表をご参照ください。

手続き内容取得・相談先備考
戸籍・除籍謄本などの収集市役所の戸籍担当窓口被相続人の出生から死亡まで必要
相続登記の申請甲府地方法務局相続登記義務化対象、不備時は過料対象
相談・手続き支援司法書士・法務局窓口初回予約や相談可能

必要書類は、相続人の戸籍や住民票、固定資産評価証明書など多岐にわたります。不備を防ぐためにも、まずは市役所の戸籍担当窓口や甲府地方法務局に相談されることをおすすめします。

税制の特例を活用する~3000万円特別控除とは~

南アルプス市では、相続により取得した空き家を売却する際に活用できる「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」に関連して、市が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を活用できます。この確認書は、市の管理住宅課で申請・交付を受けられます。平成28年度の税制改正以来、譲渡所得から最高3,000万円が控除される特例措置があり、制度利用にはこの確認書が必要です。適用可能期間は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までとなっています。申請後、交付までに約2週間を要するため、余裕を持って申請することが重要です。

こちらの制度の概要を整理した表を以下に示します。

項目内容注意点
確認書の申請窓口南アルプス市 管理住宅課申請から交付まで約2週間
控除額譲渡所得から最高3,000万円控除令和9年12月31日までの譲渡が対象
対象期間平成28年4月1日~令和9年12月31日制度終了期限に注意

この制度を活用するポイントとして、譲渡の際には必ず「被相続人居住用家屋等確認書」を税務署に提出する必要があります。この書類は税務申告に不可欠ですので、譲渡を検討される際は、確認書取得の準備を早めに進めていただくことをおすすめします。

放置のリスクと管理の重要性~空き家を放置しないために~

南アルプス市で相続した空き家を放置すると、予期せぬ税負担の増加や近隣への迷惑など、さまざまなリスクが高まります。まず、空き家が「特定空き家」と認定されると、固定資産税の住宅用地軽減特例が適用されなくなり、税負担が約4倍に跳ね上がる可能性があります。この制度は市町村が指定するもので、認定後は助言や指導、勧告といった段階的な措置が進み、改善が見られなければ命令や行政代執行・過料の対象となることもあるため注意が必要です(表参照)。

また、建物の老朽化が進むと、雨漏りや腐朽、シロアリ被害などが発生し、地震や台風時に倒壊の恐れが増します。不法侵入や放火、景観・衛生面での劣化(雑草・ゴミ・害虫の発生など)にもつながり、近隣住民とのトラブルが深刻化するリスクもあります。空き家管理は所有者にとって資産価値を守る上で不可欠です。

南アルプス市では、こうしたリスクを回避するために、空き家の管理や相続、賃貸、売却などについて相談できる「空き家無料相談会」を定期的に開催しています。令和7年度は5月、8月、11月、令和8年2月に市健康福祉センターで開催予定です。司法書士や宅地建物取引士が相談に応じてくれるため、法的・運用面的な判断に不安がある方にも安心です。

以下に、空き家を放置した場合のリスクと、南アルプス市の支援制度を整理しました。

リスクまたは対応詳細内容対策や支援
税制上の負担増 特定空き家認定により、固定資産税の軽減が外れ約4倍の負担に 特定空き家にならないよう定期的な管理・相談を行う
建物・周辺の劣化リスク 老朽化による倒壊、雨漏り、害虫発生など近隣への悪影響 定期点検や清掃・補修など管理を適切に実施する
相談支援制度 司法書士・宅建士による空き家管理や相続等の無料相談 市の相談会に予約して利用する(予約優先・参加無料)

相続した空き家は資産であると同時に、適切に管理しないと負担やリスクが伴うものです。まずは市の相談会を活用して、現状の課題や手続きの進め方について専門家に相談し、安心して次の一歩を踏み出しましょう。

活用の選択肢と次の一歩~手続きを進めながら考える~

相続登記が完了した後は、空き家をどのように扱うかを整理することが重要です。主な選択肢として「売却」「賃貸」「居住」「相続放棄」などがあり、それぞれに必要な手続きと注意点があります。

選択肢概要注意点
売却 譲渡所得から「3,000万円特別控除」が利用できる可能性があります 被相続人が居住していた家屋で、一定の要件を満たす必要があります
賃貸 貸出による家賃収入が見込め、空き家の劣化防止にもなります リフォームや入居者募集などの初期費⽤・管理責任が伴います
居住 自ら利用することで維持管理が容易になり、生活拠点として活用できます 住んでいない場合は固定資産税の特例が外れることもあります

南アルプス市では、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」適用のために必要な「被相続人居住用家屋等確認書」を管理住宅課で申請・交付できます(交付には2週間前後かかるため余裕をもった準備が必要です)。また、空き家を活用する場合には、改修費の補助や片付け費用の補助を受けられる「空き家活用定住促進事業補助金」も用意されています(改修は上限100万円、片付けは上限10万円、事前申請が必要です)。

まずは南アルプス市が開催する「空き家無料相談会」を活用して、司法書士や宅地建物取引士に直接相談することをおすすめします(開催日は令和7年5月28日、8月28日、11月26日、令和8年2月25日。午後1時30分~午後4時)。相談の第一歩として、自社不動産会社にご相談いただければ、具体的な進め方や最適な選択肢をご提案できます。ぜひお気軽にお声がけください。

まとめ

南アルプス市で空き家を相続した場合、まずは早めに名義変更などの相続手続きを進めることが不可欠です。税制特例の活用や、管理放棄によるリスクを避けるためのポイントも把握しておきましょう。どの選択肢を考えるにも的確な手続きとサポートが大切です。不安や疑問があれば、南アルプス市の相談窓口や当社へのご相談が次の一歩となります。安全で賢い空き家相続のために、行動を始めてみませんか。

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