不動産相続にかかる税金の種類は?計算方法や利用できる控除を解説
親などから不動産を相続したときには、数種類の税金を納付する必要があります。
突然の相続だと思わぬ出費に悩むこともあるため、あらかじめどのような税金がかかるかチェックするのが大切です。
そこで今回は、不動産相続にかかる税金の種類と計算方法、利用できる控除も解説します。
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不動産相続にかかる税金の種類
不動産相続に税金がかかることを知っていても、実際にどのような種類の税金がかかるかについてはあまり知られていません。
まずは、不動産相続にかかる税金の種類について、あらかじめチェックしてみましょう。
種類①登録免許税
登録免許税とは、不動産の相続発生にともなう所有者変更にかかる種類の税金です。
相続による所有者の名義変更を相続登記とよびますが、この相続登記の申請をおこなうタイミングで登録免許税を納付します。
登録免許税とは不動産だけに課せられる税金ではなく、船舶や航空機、会社や資格といった登記・登録、または特許・免許・指定などの技能証明に対しても課せられる税金です。
登録免許税について納税の義務を負うのは、登記や登録を受ける方となります。
登録免許税の納付方法
登録免許税の納付方法として挙げられるのは、現金納付・収入印紙での納付・キャッシュレス納付です。
現金納付を利用する場合、最寄りの金融機関で登録免許税納付書を提出し、窓口で支払います。
金融機関での支払いを終えたら、申請書に領収証書を貼付し登記所へ提出してください。
収入印紙での納付は、あらかじめ収入印紙を買い求めたうえで収入印紙を貼付した申請書を提出し納付します。
キャッシュレス納付を利用するならば、インターネットバンキング・クレジットカード・電子マネーなどでの支払いとなります。
キャッシュレス納付には、登記機関から得たペイジーなどの番号やQRコードが必要です。
種類②相続税
相続税とは、亡くなった方の財産を引き継いだときに発生する種類の税金です。
課税対象となるのは、亡くなった方が死亡時に所有していた不動産・預貯金のほか、死亡にともない支払われる生命保険金や退職金などのみなし相続財産です。
相続税を納める義務を負うのは、一定金額以上の遺産を受け継いだ方となります。
相続税の納付方法
相続税の申告は、相続の開始を認識した次の日から10か月までにおこなう必要があります。
具体的な手続きとしては、亡くなった方の住所地を管轄する税務署に相続税の申告書を提出します。
また、一定金額以上の遺産を相続したときには、自ら計算した相続税を納付してください。
相続税の納付は金融機関などでおこないますが、国税クレジットカード支払いサイトを経由したキャッシュレス決済も可能です。
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不動産相続にかかる税金の計算方法
不動産相続にかかる税金は、登録免許税と相続税の2種類です。
それぞれの計算方法もチェックして、いくらくらいの負担が発生するか確認してみてください。
登録免許税の計算方法
登録免許税の金額は、固定資産税評価額に0.4%をかけ合わせて計算します。
この計算式のなかの0.4%が登録免許税の税率で、土地でも建物でも税率は変わりません。
また、計算式のなかで固定資産税評価額として使用するのは、1,000円未満を切り捨てた数値です。
さらに、計算で得られた登録免許税の金額については、100円未満を切り捨てた数値を採用します。
登録免許税の計算における注意点
固定資産税評価額は、常に一定ではないことが注意点です。
固定資産税評価額は、各自治体が3年に1回見直しの機会を設けています。
そのため、登録免許税の計算をおこなう場合、自治体の役場で固定資産評価証明書の閲覧または取得で固定資産税評価額の確認が必要です。
相続税の計算方法
相続税は、手順に沿って計算を進めることがポイントです。
相続税の計算では、亡くなった方の遺産から借金や葬儀費用などを差し引いて、遺産総額を求めます。
このなかの不動産評価のために使われるのは、相続税路線価による相続税評価額です。
次に、相続税で定められている基礎控除額を計算します。
相続税の基礎控除額は、法定相続人の人数×600万円に3,000万円をプラスした金額です。
遺産総額と基礎控除額を見比べて、遺産総額が基礎控除額よりも少ないときには相続税の申告と納付は不要です。
遺産総額が基礎控除額より多い場合であれば相続税の申告と納付が必要となりますので、基礎控除額を上回る課税遺産総額を計算します。
ここで算出された課税遺産総額は相続人全員分を合わせたものとなるため、法定相続分などに応じて相続人ごとの課税価格を計算してください。
最後に、個人の課税価格に所定の税率をかけ合わせて実際の相続税額を求めますが、税率は課税価格ごとに変わります。
相続税の計算における注意点
相続人それぞれの相続税を計算するときは、法定相続分どおりに遺産を分割するだけでなく、遺言書または遺産分割協議の内容によって分割の内容が異なることが注意点です。
また、基礎控除額を正しく計算するために、誰が法定相続人に該当するか把握することも注意点となります。
配偶者以外の法定相続人には順位があり、第1順位は子ども、第2順位は両親、第3順位は兄弟姉妹です。
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不動産相続で税金を抑えるために利用できる控除
不動産の相続が発生したときは、状況によっては多額の税金を納めることになります。
不動産相続では税金の負担を軽減するための控除などがありますので、その内容をチェックしておきましょう。
住宅資金贈与制度
住宅資金贈与制度とは、父母や祖父母といった直系尊属から住宅取得のための資金贈与を受けたときに、一定額までが贈与税の課税対象外となる制度です。
これは、親が亡くなった後に多額の相続税を納めるリスクを回避するために、生前にとれる相続税の負担軽減策です。
贈与を受ける方には、18歳以上であることや贈与を受けてから一定期間内に住宅を取得するなどの条件が設けられています。
また、贈与税が非課税となるのは、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅では500万円が限度額です。
配偶者控除
夫に先立たれた妻など、配偶者を亡くされた方が利用できるのは、配偶者控除です。
配偶者控除が適用されると、亡くなった方の配偶者が相続した遺産が1億6,000万円以下、または配偶者の法定相続分に当たる金額以下であると、相続税が非課税になります。
配偶者の法定相続分は、相続する方が配偶者と子どもの場合には2分の1、配偶者と両親の場合は3分の2、配偶者と兄弟姉妹であれば4分の3です。
この配偶者控除とは単なる節税のための制度ではなく、相続税の負担の大きさにより、住んでいた不動産を手放すといった事態を回避するために設けられたものです。
相次相続控除
相続税の負担がとくに大きくなるパターンとして挙げられるのが、祖父の死後すぐに父親が亡くなるなどの相次相続です。
この相次相続による負担軽減策となるのが、相次相続控除です。
相次相続控除が適用されると、10年以内に相次相続が発生した場合に、前回の相続税の一部を今回の相続税から差し引けます。
相次相続控除の適用要件として、2つの相続の期間が10年以内であることや、前回の相続において相続税が課せられていることなどが挙げられます。
また、相次相続控除の計算では、前回と今回の相続における経過年数も考慮されていて、期間が短いほど控除金額が増えることがポイントです。
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まとめ
不動産相続で発生する税金は、登録免許税と相続税の2種類です。
登録免許税は固定資産税評価額に0.4%をかけ合わせて計算し、相続税は法定相続人の人数に応じた基礎控除額を差し引くことがポイントとなります。
住宅資金贈与制度・配偶者控除・相次相続控除など、不動産相続における負担軽減策もチェックしてみてください。
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